ご挨拶

東大谷高等学校 校長長尾 文孝

人間教育をする進学校

 東大谷高校の一日は、バッハの「G線上のアリア」から始まります。始業前に勤める毎日の朝礼で「G線上のアリア」をBGMに数分の瞑想を行い、自分をしっかりと見つめることで、人は独力で生きているのではなく、さまざまな人や物の支えによって生かされていることを意識するようになります。また、一日の終わりには終礼を勤め、同様に瞑想の時間を設けております。このように、毎日の朝終礼、そして宗教行事や宗教の授業を通じて本校の生徒たちは日常の「あたりまえ」と捉えていた物事が、実は「ありがたい」存在であることに気づいていきます。
 本校は、建学の精神に基づく宗教的情操教育を通じて、礼節と品格を備えた人物を育成するとともに、最新の教育施設・設備のもと、時代の変化に対応し自らの未来を切り拓く高い志を育み、特進・国際・進学、各コースの特色を生かしながら生徒・保護者の皆様の進路希望を実現する「人間教育をする進学校」として着実に前進しております。
 中学生の皆さん、東大谷高校で充実した高校生活を送り、自ら考え行動する「新しい自分」を創造してみませんか。


学校法人大谷学園 理事長左藤 章

変化に即応する、揺るがぬ精神

 今日のデジタル社会では、あまりに多くの情報が高速に行き交うことで、人間がそれに振り回されてしまう状況が散見されます。情報が氾濫し、世の中の変化が加速していくこの時代、本当に必要なものは、目先の変化ばかりを追いかける表面的な姿勢ではありません。世の変化に動じないがゆえにそれに即応することのできる、揺るがない精神こそが、真に肝要です。
 東大谷高等学校は、前身である大谷裁縫女学校の建学の精神「報恩感謝」の心を次代の母たるべき女性に伝え、子や孫に伝承させていくことを目的に、明治42(1909)年に設立されました。自らの頂く恩に気が付く智慧を持ち、それに報い、感謝の念を胸に周囲の人々をいっそうに大切にしていく。そのような人は、より複雑化しより変化していく世間を乗り越えていけます。このような、智慧と慈悲を兼ね備えた人間を育成することが、我々の使命です。
 平成25(2013)年、当校は阿倍野台より移転し泉ヶ丘校舎を新設するとともに男女共学にし、100有余年の女子教育の伝統の上に、新たに男子教育の伝統を構築していくことになりました。生徒一人ひとりの個性を尊重し、多様化する生徒のニーズに応えるとともに、社会の国際化・情報化にも対応した教育をしてまいります。揺るがない伝統を基調としながら、新しい取組みへの挑戦を続け、よりよい学びの場を提供してまいります。


学校法人大谷学園 学園長左藤 一義

どんな時代も乗り越え、逆境に耐えられる精神

 東大谷高等学校は「報恩感謝」の精神を次代の母たるべき女性に伝え、子どもや孫に伝承させていくことを目的に、明治42年に設立されました。この精神は未来永劫変わることはありません。複雑化する人間関係などストレスが増加する現代社会においては、より多くの人たちに感謝の心を伝えていく必要性が一層高まっています。どんな時代も乗り越え、逆境に耐えられる自立した人材、そして自分の価値観だけにとらわれず、素直に物事を見ることのできる人材を輩出していきたいと考えております。
 近年、生徒一人ひとりのニーズも多様化してまいりました。「温故知新」「不易流行」という四字熟語に表わされるように、東大谷高等学校では、「報恩感謝」という建学の精神を教育の中心に置きつつ、泉ケ丘校舎への移転を機にそうした多様なニーズに対応した教育を行うとともに、国際感覚を身につけ、情報化社会を生き抜くことができるような人材の育成を進めるべく、新たなよりよき学びの場を提供してまいります。
 最後に、100有余年の女子教育の伝統の上に、男子教育の伝統も新たに構築していく必要がありますが、例えば釈迦の説法が「対機説法」「応病与薬」と言われ、あるいは『仏説阿弥陀経』にも「青色青光、黄色黄光、…」とあるように、男女の違いを認めあい、それぞれの性格や能力などを充分勘案した教育が何よりも肝要だと考えております。